リスク

唐突ですが、ある有名歌手の曲名で“リスク”というものがあります。

 また、前述のコラムのように、長期分散投資を最も信仰するFP(FPによりさまざまなタイプがありますが・・)のバイブルとして読まれている洋書にピーター=バーンスタイン著の『リスク―神々への反逆』という名著があります。教科書的に擦り切れるほど読んでいて投資だけでなく、日ごろの生きざまにまで影響された素晴らしい本です。ぜひ機会があれば皆さん読んでみてください。

 

 簡単に日本語でリスクというと、皆さんまずイメージするのは『危険』ではないでしょうか。もしくは、博打やなにかしらの犠牲を払って得るための投資的な、少々ヒリヒリとするような得体のしれない不安感がまず先に来ませんか。

 

 実は、リスクとは金融や投資の世界では、『期待収益率のブレの幅の大きさ』のことを言います。では期待収益率とはなんでしょうか。それは特定の資産について将来にわたる運用により獲得することができる平均的な収益率のことを示します。例えば、銀行の定期預金や国債(債券)の場合、リスクがやや低いため期待収益率も低い。簡単に言えば、0.01%で運用していれば、殖えもしなければ損もしない。

 

一方で株式投資のようなリスクの高い投資商品の場合、リスク(不確実性)に対して、超過収益(リスクプレミアム)を臨むことから、こうしたリスク資産の期待収益率は高くなります。期待収益率が高くなるということでなんとなくわくわくするかもしれませんが、大きく増える可能性もあれば、大きく値下がりする可能性もあるということです。

 

30年40年後の老後の資産形成を考える場合、例えば、女性の皆様が老後一人で約月30万円の生活をしたいと考えた場合、平均余命89歳とすると約24年間の生活資金が必要になります。ざっくり公的年金や厚生年金で15万あったとして、残り15万円を24年間毎月消費すると65歳時点で約4,300万円不足することになります。4,300万円を0%金利のタンス預金で30歳から貯めようと思うと、毎月10万円ずつお給料の後に現金をタンスの中にしまっておくことが必要です。

 

リスクの話から金利の話になってしまいましたので金利の話はまた別の機会にするとして、本題に戻ります。本来のリスクの意味ではなく、仮に危険という定義で考えたとすると、日本の物価の上昇率が2%として、0.00%のタンス預金では盗難・火災のリスク、0.01%の運用では、物価上昇率に運用が負けてしまうという“リスク”はありませんか。

 

 

『リスク―神々への反逆』のワンフレーズで印象的なのは、世の中の森羅万象は波型で成り立っていて、中長期的には平均に収束する法則があるという言葉。株や投資信託、変額保険、変額年金、外貨年金・・・などの金融商品の話はまた別でするとして日常生活にもよく目にするもので、ガソリン価格など価格が変動するものにも同じことが言えます。

 

それだけではなく、私が日常それをバイブルとして参考にしているのが、人間の感情や行動も上司から怒られたり、仕事がうまくいかなくて不貞腐れたりしてさぼってしまうなんてことありませんか。また、逆に褒められたり、いいことがあったりすると有頂天になって翌日自分へのご褒美なんていいながらまた逆の意味でさぼってしまうなんてことも・・自分では人間にも波型のバイオリズムが絶対にあると思っています。

 

仕事や日常生活でうまくいくコツとして自分が参考にしていること。それはうれしくても悲しくても、怒られて不貞腐れても、褒められて舞い上がっていても、営業の人なら訪問数を一定にして鋼の心で変えないこと。投資の世界では、途中日経平均が暴落しても、暴騰しても気にしないで一定額を毎月こつこつ・・・そうするといつか確率論と統計学に収束していくのでそれだけは過去社会人人生〇十年こだわってきました。私自身の人生がうまくいっているかどうかは別として、少なくとも感情や気持ちの上で、日常生活や老後の資金面での不安な気持ちに振り回されることは一切なくなります。不確実な将来と外的要因からくる気持ちのブレをうまく修正できるのです。

 

つづく