米ドル・豪ドル建て個人年金保険(その2)

 昨日のコラムで、自助努力による老後資産形成の重要性を国が個人に対して提言しているニュースを紹介しました。現在の公的年金制度でその状態であれば、この先の少子化が進む日本において、現状より公的年金制度がよくなる可能性は低いと思います。公的年金制度だけでは豊かな老後の生活を送るのが非常に難しい時代になっていくと思われます。そのような時代に表題の外貨建て個人年金保険が人気となっていますが、ここでは簡単にその特徴をお伝えしていきたいと思います。

 

 外貨建て個人年金保険とは、保険料の支払や保険金や年金等の受取を米ドルや豪ドルなどの外貨で行う個人年金保険です。保険会社により異なりますが、一般に日本円で支払った保険料はその国の通貨の国債などで運用され、一般的に円建ての年金保険よりも利回りが高いといった特徴があります。ここまでのコラムで紹介しているように外貨で運用しますので、為替リスクがあり、受取時に円安になっているか円高になっているかで、円で受け取る場合の期待収益のブレ幅があります。外貨で受け取ることも可能なので、外貨で受け取る場合には、利率が固定されている商品であれば、契約時に決められた利率が変動することはないため、受け取る額は一定です。

 

 一般の金融商品よりも保険商品であるため、各種のコストを理解しておく必要があります。先ほども紹介したとおり保険料を円から外貨へ交換したり、年金を外貨から円に交換するために必要な為替手数料が発生します。その他、保険商品であるため契約の維持管理のための費用、年金を管理するための費用などのほか、途中で解約する場合には経過した年数に応じた解約控除など、さまざまなコストがあります。そのため、短期の用途がある資金準備などには向いておらず、長期資産形成に活用される方が多いです。株式や債券や投資信託に比べて契約から短期間のコストは比較的高めです。

 

 ただ長期資産形成の視点で考えた場合、メリットもあります。以前のコラムで紹介した「ドルコスト平均法」のメリットを受けることができます。毎月の保険料を円で固定されている場合、同じ円で買い付けできる外貨の口数が変動します。最終的に受取の際に円安に振れている場合はよいのですが、円高に振れている場合は円での受取額が減少しますので、据え置きなどにして、為替のタイミングを見ることもできます。ある程度の長期運用と、解約のタイミングなどが確定していない方にはお勧めです。また、商品や年金の受け取り方法によっては個人年金保険料控除の対象となりますので、一般の生命保険料控除や介護医療保険料控除とは別枠で年間支払った保険料に対する控除があります。その他、さまざまなメリット・デメリットがありますので、興味がある方はFPに相談をしてください。

続く