医療費控除と介護医療保険料控除

 入院や手術をした後の出口としての医療費控除と、生命保険料控除の中の入り口の介護医療保険料控除は名前が似ているためとかく混合しがちです。双方とも医療費絡みで直接的間接的に税制上の優遇処置がありますので、是非覚えておいてください。後者の介護医療保険料控除に関しては、会社で働いていれば年末に何かしらのアナウンスがあるはずですので見逃すことは少なそうですが。前者の医療費控除は知らなければ特に誰も教えてくれないですし、大きな病気にかかったことがなければ知らないで過ぎていくことも多いと思います。

 

 では、医療費控除とはどのような制度でしょうか。簡単に説明すれば「ある1年にかかった自分や家族の医療費を申告することによって所得税・住民税の負担が軽くなる」ありがたい制度です。そこでいう家族の定義は生計を一にする6親等内の親族および3親等内の姻族で、その中で、最も所得税率の高い人がまとめて医療費控除の申告をすると最も効果があるといわれています。控除対象の医療費とは、治療関連の病院だけではなく、歯科医や医薬品、あんまなども含まれています。また入院だけでなく通院にかかる費用なども含まれます。出産にかかる費用や交通費なども含まれることに注意が必要です。冒頭で出口と申し上げたのは、基本的に治療や通院などに実際にかかった費用に対しての税制上の優遇処置です。この後に説明する医療保険の保険料などは対象外です。

 

 では万一の時に備える入口としての民間の医療保険の保険料には税制上のメリットはないのでしょうか。「生命保険料控除」という形で申告をすることが必要です。生命保険料控除も所得控除の一つであり、この控除が適用されると所得税・住民税の負担が軽減されます。ある一年間に支払った保険料が対象です。その中で、介護医療保険料控除は、平成24年1月1日より適用されることになった、新しい生命保険料控除枠です。民間の介護保険や医療保険に加入する人が対象です。それ以前に加入していた人は、一般の生命保険料控除の対象となります。前述の医療費控除は確定申告をする必要がありますが、介護医療保険料控除に関しては年末調整で申告が可能です。ご自身の職業によっては申告方法が違いますので注意が必要です。

 

 前者の医療費控除は確定申告が必要ですし、申告の方法も知らなければ少々なじみが薄いかもしれません。また後者の介護医療費控除についても新しい控除枠なので、自分が加入している保険がどの種類の控除になるのか、少々複雑でわかりにくいと思います。一度加入している生命保険や医療保険などを整理して税制上のメリットを最大限に活かせる方法をFPに相談されてはいかがでしょうか。

続く