商品先物

 先日のビットコインに続き、セミナーなどでハイリスクハイリターンの運用商品の一つ、商品先物について紹介します。日本における普及に関しては福沢諭吉が認めている程の仕組みなのにもかかわらず、馴染みがないとか、イメージがよくないなどの理由であまりよく知られていないので、ここでは簡単に説明したいと思います。実際自分でも若いころ実施してみたことがあるのでその体験談もお話します。

 

 株式は企業に投資、FXは為替に投資するように、金やプラチナ、ゴムやとうもろこし、小豆に至るまで様々な商品に投資するものが商品先物です。大きく値上がりを期待できる一方で大きな損失を出すリスクが高い商品で、少々投資初心者の方には複雑な仕組みだと個人的は思います。日常で商品を買う場合、今の時点の価格で数量を買うのが当たり前ですが、商品先物では将来の価格を今の時点で決めて、支払の決済と商品の受け渡しは1年後などの将来にするもので、そのことを受渡し決済といいます。でも実際にトウモロコシ何トンなんて現物を受け取るのは、牧場経営者などでもない限り現実的ではありません。受渡時に現物を受け取らずにその差益を受け取ることで決済を完了することも可能です。そのことを差益決済といいます。例えば、トウモロコシを20,000円で買って、22,000円で売った場合、差額の2,000円×数量分が差益となります。売値より買値が安ければ儲かりますが、買値より売値が安ければ損失を得ることになります。

 

 自分の経験で言えば、約20年前、昔の職場に営業の方が飛び込みで来て、FPの資格を取って資産運用の体験をしたいという好奇心だけでよく勉強もせず、確かトウモロコシか小豆の穀物を最低ロットで約数十万円(記憶が確かなら40万円程度)で取引を開始しました。初心者にありがちな、ビギナーズラックで価格はどんどん上昇し、枚数増やし400万円程度まで上がった記憶があります。上昇中は夢がどんどん膨らみ、車を買おうかなんて欲が出てしまい、電話のいいなり(現在は電話禁止とのこと)になり売買を繰り返し、枚数をどんどん増やしていきました。価格変動のリスクを考えておらず、また運用に下落はつきもので、今度は価格が急激に下がり始めました。変動の理由は初心者にはわかりにくい天候不順による豊作などの要因だったと思います。最悪0になっても仕方がないという気持ちでいましたが、実はそれだけではなかったのです。下落が止まらずストップ安となり、追証が必要な事態となりました。追証とは何かということに関してはまた別途説明いたしますが、簡単に言えば、0になるどころか、逆に数百万円払わなくてはいけなくなる可能性がある状態になりました。その後、幸運にもわけのわからないまま両建て(これに関しても改めて説明します)することにより、最終的には幸いにもプラスマイナスゼロ位の価格で取引を終了することができました。

 

 私の若気の至りの反省点は、取り組む前によくリスクとしくみを勉強して取り組んでいれば本当に高級車が買えた(当時の価格で)位の差益の時に、周囲になにを言われても鋼の気持ちで売り抜けていればよかったのですが、よくわからないままハイリスクハイリターンの商品に丸腰で取り組んだためこのような経験をしました。その後、株式も為替も商品先物も短期売買に関しては個人的に全く興味がなくなり、長期分散投資の勉強を始めるきっかけになりました。冒頭にも言いましたが、福澤諭吉が認めた程のいい仕組みなので、興味がある人は本当に勉強してリスクとコストを理解してリスク許容度の範囲内で検討してください。また不安な方はもう少しリスクの低い投資を検討するか、事前にFPの皆さんに相談してみてください。

 

続く。