源泉分離課税と総合課税

 以前のコラムで投資商品を検討する際、金利やリターンも大切ですが、コスト(諸費用)とタックス(税金)のことを考える必要があると説明しました。金融商品や投資期間によって税制が違うので、よく雑誌などで見かける1億円儲けたというお話も、税金で2,000万円、投資商品によっては半分の5,000万円引かれるというケースもあります。ここでは所得税の課税方法、分離課税と総合課税について説明します。

 

 まずは源泉分離課税から説明します。分離課税のうちの一つで、分離課税には申告分離課税と源泉分離課税の2種類があります。申告分離課税に関しては文字通り自分で申告する必要がありますが、源泉分離課税では源泉徴収のときに納税が完結するため自分で申告する必要がありません。ここでは源泉分離課税の説明をします。源泉分離課税の対象になる所得は、文字通り他の所得とは全く分離して考えます。所得を支払う者が、その所得の支払いの際に一定の税率で所得税を源泉徴収し、それだけで所得税の納税が完結するというものです。利子所得に該当する利子等が代表的なものですが、現在の銀行の普通口座の利子などは0.01‐0.02%と低い金利のため高額預金者以外の方にはあまり関心がないと思います。

投資商品の中で、気になるのが外貨建預貯金で、その元本と利子をあらかじめ定められた利率により円又は他の外国通貨に換算して支払うこととされている一定の換算差益や一時払養老保険などの差益(保険や共済の期間が5年以下のもの、又は保険や共済の期間が5年を超えていてもその期間の初日から5年以内に解約したものの差益に限る)収入金額等の20.315%(所得税が15.315%、地方税が5%)が源泉徴収されます。

 

 一方の総合課税とは他の所得と合算した総所得に基づいて、その年度の1月1日から12月31日までに以下の所得がある場合、翌年2月16日から3月15日までに所得税の確定申告を行い所得税の税率を使って税額計算をする制度のことです。対象となる所得は利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得 、譲渡所得、一時所得、雑所得になります。所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から45%の7段階に区分されており、テーブルにより設定された控除額を引きます。

 

 生命保険の解約返戻金に関する課税はどうでしょう。契約者と解約返戻金の受取人が同一の場合には、一時所得として所得税・住民税が課税されます。課税対象となる金額は以下の通りです。(解約時受取総額-払込保険料総額-特別控除額)×1/2で特別控除額が50万円あるので、解約返戻金(配当金含む)と払込保険料総額の差額が50万円を超えなければ、税金はかかりません。契約者と解約返戻金の受取人が同じでも、契約の商品が「金融類似商品」に該当する場合の解約返戻金は「源泉分離課税」(他の所得と分離して課税され、源泉徴収される課税方式)となります。保険会社が税金分を源泉徴収し、残りの金額を受取人に支払いますので、改めて確定申告をする必要はありません。保険期間・払方などによって課税方法が違うので注意が必要です。詳しくはFPに相談してください。

 

続く。