相続における遺留分と寄与分

 高齢社会の加速と、団塊世代の高齢化と過去の手厚い年金制度の恩恵などで、先述の介護に合わせて相続問題が非常に身近な話題となっています。相続は“争続”と書かれるように、いくら子供の頃仲良く遊んだ想い出のある兄弟であっても、その後一生口を聞かないほどもめることがあります。その大きな問題となる二つのキーワード、遺留分と寄与分について説明します。

 

 少々専門的な話なので、まずは相続の基本のキから簡単に説明します。「相続」とは、ある人が死亡したときにその人の財産を、特定の人が引き継ぐことをいいます。簡単にいうと、亡くなった人の財産を配偶者や子ども、兄弟などが引き継ぐことです。この亡くなった人を「被相続人」、財産をもらう人を「相続人」といいます。「遺産」とは現金や預貯金などのお金はもちろん、車などの動産、家・土地などの不動産などの有形なものから、賃借権などの無形の財産、借金などの負の財産まで含まれます。相続には以下の3種類があり、①法定相続:民法で決められた人が決められた分だけもらう相続②遺言による相続:亡くなった人が遺言書により相続の内容を決める相続③分割協議による相続:相続人全員で協議して遺産の分割方法を決める相続があります。法定相続人になれるのは配偶者と血族で、血族には順位があり、第1順位:子および代襲相続人、第2順位:両親などの直系尊属:第3順位:兄弟姉妹および代襲相続人となります。同じ間柄の人が複数いる場合は案分します。相続割合に関しては各パターン(配偶者と親のみ)などによって比率が定まっていますが、ここでは書ききれないのでまた別途ご紹介します。

 

 さて、今回言葉としての「遺留分」と「寄与分」に関してのコラムですのでその関係や違いについてごく簡単に説明します。寄与分とは、共同相続人の中に、遺産の維持や形成に特別の貢献をした人がいる場合、その相続人の遺産の取り分を増やす制度です。遺留分とは、被相続人と一定の関係にある法定相続人に認められる、最低限の遺産取得分のことです。遺産相続が起こったとき、法定相続人が法廷相続分に応じて相続するのが原則ですが、遺言や遺贈などによって特定の相続人や第三者に多くの相続財産が与えられると、他の相続人は遺産をまったくもらえなくなる可能性があります。このような場合、遺産をもらえなくなった相続人にも最低限度の取得分を認めようというのが遺留分の制度です。最近の事例としては、本当に一般的な家庭の兄弟などが、この寄与分と遺留分に関する“争族”のトラブルが多いようです。

 

 例えば、ある高齢で認知症のお母さまが居る家庭で兄弟が長男、次男、長女の3人、長男が亡くなっていてその奥様がご存命の家庭で、長男夫婦とお母さまが同居していて、本来他人であった奥様が献身的にお母さま(義母)の介護をした結果亡くなったときなどの場合、気持ち的な部分を考えれば長男の奥様になんとか介護費用や精神的な負担を考えて手厚くしてあげたいものですが、寄与分や遺留分など法律で定められている結果は別物です。そのような事例の法律的な結果や対策に関しては専門家である弁護士に相談してください。また、相続対策としての金銭面での対策や受取人の固有の財産である生命保険の活用などに関しては是非FPの方々に相談してください。ここでは、寄与分と遺留分のごく簡単な表面的な意味合いを紹介しましたので、相続事業承継に関してはまた別の機会に詳しく説明したいと思います。

 

続く