CV(キャッシュバリューとコンバージョン)

 筆者自身のキャリアの中でCVという言葉ほど各保険会社で定義が違う言葉はなかったです。それぞれすべてで違う定義と言っても過言ではありません。CVという言葉にキャッシュバリューとコンバージョンという大きな2つの意味がありますが、コンバージョンの中に3つの言葉の定義があります。今回は業界用語のCVについてご紹介します。

 

 まず初めにCVといえば、キャッシュバリューを意味する場合から紹介します。キャッシュバリューとは英語のcash (surrender) valueからきている言葉で、保険業界では主に解約返戻金(解約払戻金)のことを意味します。解約返戻率をCV率と言ったり、CVがある(解約返戻金がある)、低CV終身(低解約金型終身保険)などということもあります。この場合のCVは英訳なのでなんとなくシンプルですが、CVの定義をコンバージョンという言葉とする場合、大きく3つの意味があります。①契約転換制度 ②契約変換制度 ③主にwebサイトなどの成果への移行率 です。①と②は非常に似ていますが全く違う制度です。

 

まず①の契約転換制度から紹介します。大手保険会社の内部ではコンバージョンを契約転換制度と定義しています。既契約の転換価格(解約返戻金や積立配当金など)を、新たに加入する保険の保険料の一部に充当し、既契約から新規契約に乗り換え同時に過去の契約は消滅します。一般に契約転換制度は、同じ生命保険会社でなければ利用でできません。また転換時の年齢や保険料率により新しい保険の保険料が計算されます。生命保険会社によって取扱基準が異なり、また利用時には告知(または診査)が再度必要となります。過去契約の予定利率が高い時に加入している場合など、その予定利率が引き継がれるわけではなく、新契約時の利率となるので注意が必要です。

 

次に②の契約変換制度を紹介します。保険会社によってはできる場合とできない場合もあります。現在加入中の保険契約の途中で、加入中の保険金額の範囲内で、被保険者の健康状態を問われることなく、一定要件のもと、他の保険種類に変更することです。例えば、定期保険(一定期間の死亡・高度障害の保障)に30歳から60歳満了で加入しているとすると60歳時に契約は満了しますので通常保障は終了します。58歳の時にがんなどに罹患された場合、60歳以降の保障を確保しようとしても、診査や告知などで加入できない不安があります。そのような場合に現契約の保障額の枠内で他の保険、例えば終身保険に切り替えることができる制度です。加入時の目的と、保障期間の途中で目的や健康状態などが変わった時に非常にありがたい制度です。

 

最後に③のコンバージョンレートなどで使われるCVですが、主に通信販売やWeb申込ができる保険を問わず各業種のEC⁻Siteや資料請求の効率などの指標として使われる言葉です。ウェブサイトへのアクセス数(PV)、またはユニークユーザー(UU)のうち、何割がコンバージョン(商品購入や資料請求などの、ウェブサイト上から獲得できる最終成果)に至るかの割合を示す指標のことです。こちらもCV率などと言いますので、IT業界の方が保険の提案でCV率や将来コンバージョンできるなどと専門用語や社内用語などで言われると非常に混乱されると思います。特に①と②に関しては、非常に似ていますがまったく違う制度なので、もし不安な点がある方はFPの方に相談してみてください。

 

続く