解約返戻金と責任準備金

 解約返戻金と責任準備金という2つの言葉を聞いて、一般のお客様には前者、解約返戻金はなんとなくなじみがある言葉だと思いますが、責任準備金に関してはあまり聞くこともない方も多いのではないかと思います。FPの方々でも、保険が専門でない方々にとって、この2つの違いを明確に即答してくださいと言っても少々困惑する方も多いのではないでしょうか。今回は保険の解約返戻金の仕組みを説明する中で重要な責任準備金というものをご紹介いたします。

 

 まず、解約返戻金に関して簡単に説明します。以前のコラムで、終身保険などの解約返戻金などは、死後整理資金以外にも老後の資産形成に活用できると紹介しました。保険会社によっては終身保険の解約返戻金を将来、払込満了後などに一部年金受取に移行したり、介護年金などに活用できるような終身保険もあります。解約返戻金とは文字通り、生命保険を解約した時に支払われるお金のことです。通常、生命保険募集人の方から提案されるときの提案書や設計書に将来の解約返戻金を記載されていますし、保険会社の保険商品によっては、保険証券に記載されているものもあります。では解約返戻金にかかる税金はどうなっているのでしょうか。解約返戻金が払込保険料の総額よりも多い場合、下記の計算式で計算されます。計算式:【総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額】。

 例えば、解約返戻金300万円、総支払保険料200万円の場合(源泉分離対象でない期間の契約の場合)この場合の差益は100万円となります。100万円から控除額50万円差し引いた額の半分の25万円が、その他の収入と合算して総合課税されます。一時払の個人年金保険(確定年金)を5年以内に解約をするなどの場合、差益分に20.315%をかけた額が源泉徴収されるので注意が必要です。

 

 では、この解約返戻金とはどのような仕組みなのでしょうか。生命保険における解約返戻金の基本が責任準備金です。この責任準備金の計算式は【支払保険料-(加入期間の保険料+保険会社のコスト等)】により算出されます。払った金額から実際に保険で使った金額と保険会社の経費を指し位引いたものが責任準備金として解約返戻金の原資となります。保険会社の契約コストに関しては契約後の初年度にかかります。また、以前のコラムで紹介したとおり、生命保険商品の予定利率と、その他の金融商品の運用利率は違います。また早期解約には解約控除などのペナルティがあるため、生命保険などで資産形成を考える場合は基本、長期運用で考えることも重要です。

 

続く