利率変動型と市場価格調整型

 また、唐突ですが更に不可解なのは人間の心理で、自分が期待していることと逆の結果に陥ったときの感情の起伏は激しくなると思います。例えば、奥様が結婚記念日でご主人からのサプライズを待っているのに、ご主人様本人は全く忘れていた時など。その例えが相応しいか否かは別として、特に分かりにくく、クレームになりやすい市場価格調整という言葉を簡単に説明します。

 

 最近、銀行窓口や保険代理店などで購入できる一時払系の金融商品で注目されているのが、外貨建一時払終身保険ですが、まとまったお金を一時払いで運用できるため運用益も分割払いより期待できたり、死亡保険金として一時金を受け取れるので保障や相続対策に活用できたりと人気商品です。死亡保険金などは、あらかじめ指定した受取人に支払われるので、遺産分割協議など面倒な手続きを行わずに、スムーズに資産を渡すことができます。また、相続人が受け取る死亡保険金のうち、非課税限度額までは相続税の課税対象になりません。また多くの保険会社の商品は健康状態を問わない無告知であることが多く、保険商品としては取り組みやすい内容となっています。ここまでの内容であれば、冒頭のクレームになる理由があまりなさそうです。

 

 外貨建て一時払い終身の多くは市場価格調整という機能が付いています。先述の利率変動型の商品の場合、利率が上がった場合のパフォーマンスはなんとなく期待できそうなイメージですが、市場価格調整付生命保険の場合、解約するときに、契約時よりも利率が上昇した場合、解約返戻金が予定よりも減り、一方、契約時よりも利率が下降したら解約返戻金が増えます。その理由は市場価格調整付生命保険の場合、市場金利の変動による債券価格リスクがあるからです。市場価格調整付の生命保険の場合、債券で運用されているため、債券の運用実績が解約返戻金に反映するからです。債券は市場金利が上がると債券価格が下がり、下がると債券価格が上がる特長があります。先述のリスクの話で、市場金利と債券は逆の動きをするので分散投資に組み合わせることがコツと書きました。この仕組みは簡単に言えば、契約時の債券の利率が2%とし、解約時に市場金利が上昇して3%の債券が販売されていた場合、保険会社は2%の債券を販売して解約返戻金を準備しようとしても、誰も3%の債券より2%の債券を選ぶ人はいないため、債券の価格を下げざるを得ません。

 

 このあたりの内容を契約時によく理解していない状態で加入し、解約したときに市場金利が上昇している場合、なんとなく解約返戻金が増えているのではないかという期待に反して減少していることもあり、期待に反して落胆の幅が大きく、大きなクレームになることが多いそうです。もし心配な点がある方がいらっしゃれば、是非対面でFPの方から直接説明を受けてください。

続く