雨の中の猫

 『猫は絶対的な正直さを持っている』 アーネスト・ヘミングウェイ “A cat has absolute emotional honesty.   Ernest Hemingway” 以前、セブンマイルブリッジを渡りフロリダ州のキーウェストに旅行で訪れたとき、ヘミングウェイの家に彼が愛した猫の子孫がいっぱいいました。ヘミングウェイの小説『雨の中の猫』に倣い、『ライフプランの中の猫』というコラムをふと思いつきました。

猫の平均寿命は約15歳。最高齢で38年、人間でいえば190歳まで生きた猫もいるようです。『100万回生きたねこ』というベストセラーの絵本では、ライフプランならぬ人生観を考えさせられる名著です。お子様の教育面でも病気の介護や死別などの悲しさを知るという面ではペットと一緒に暮らすのもいい人生経験かと思います。

 

猫や犬も飼っている人なら必ず思いますが、大切な家族の一員です。ペットはプライスレスと思われるかもしれませんが、約15年間でいくらくらいかかるのでしょう。まず購入費用ですが、野良猫を保護するか、里親募集でもらってくるのであれば基本無料ですが、大体5万円以上、血統書付など20万以上する猫もいます。また、初期費用として・予防接種 3500円からトイレ、キャリーケースの購入、キャットタワーの購入費用などで約2万円ほど。毎月の餌代が約1万円として12か月×15年で約180万円ほどかかります。(当然家庭によりますが、半分として約100万円)

 

 健康で元気いっぱいに一生一緒に暮らしてくれればいいのですが、残念ながら人間の平均寿命の約6分の1しか生きてくれませんので、通常は先に猫の方が亡くなります。猫の治療費はいくらくらいでしょうか。骨折で約15万円、異物誤飲で約25万円、尿閉塞で約20万円など、動物病院によって治療費は自由に設定できるため治療費の額は様々ですが、猫の治療のためのお金を準備してあげることも必要です。高額な治療費を心配するあまり、治療をほおっておくとペットの病気は人間よりも早く進行するようです。弱っていく猫ちゃんを見ているのも飼い主であればつらいことと思います。

 

 そんなときのためにペット保険があります。ある保険では対応病院であれば窓口精算ができます。窓口精算できることは楽だけでなく少額でも取り忘れなく請求でき診断書費用など余計な出費がなくてすみます。通院・入院は無制限であることも日数を気にすることなく使え、終身保障なので高齢になっても安心できるような保険もあります。その他、保障の中にペット用の車いすがあったり、葬儀費用の特約もつけることができるものもあります。ペット保険の保険料の方式は大きく分けて、定額方式と実費保障があります。定率保障タイプは、かかった治療費を一定の割合で保障するものです。定率には、100%・80%・70%・50%タイプなどがあり、限度額も項目ごとの設定タイプや、限度額を年間で設定したタイプがあります。実額保障タイプは、保障限度額までの実際にかかった治療費の全額が給付され、 限度額を超えた場合は、超えた分の金額が自己負担となります。

 

 また、ここまで猫ちゃん主体の治療費などのお話をしました。今問題になっているのが飼い主が高齢化し、飼い主の方が先に介護や認知症、死亡などの理由によりそれ以上飼えなくなったときの猫のライフプランは壮絶です。年間約20万匹がそれらの理由で殺処分になっているというデータもありました。孤独な高齢者の方にとってペットと一緒にいることで元気になる方もいるので、買うこと自体は否定はしませんが、さまざまな費用が掛かったり、自分が万一の際の家族としてのペットのことなどを考えてあげることも必要だと思います。先述の『終活(エンディングノート)』ではありませんが、もし自分が万一の時、遺族や知人の方に託すことができるようにしてあげることも必要かと思います。

 

 『100万回生きたねこ』では、100万回の人生を歩んで100万人が自分の死に泣いてくれたのに一度も飼い主を好きになったことはなかったそうです。その猫がたった一度恋をした白い猫と結婚をして子供を産んで幸せに暮らしていたところ、その白い猫はある日静かに動かなくなりました。そして彼は初めて涙を流し、彼もまた彼女の横で静かに動かなくなったそうです。そして二度と生まれ変わることはなかったそうです・・・

 

続く