夜に書いたラブレター

 また突拍子もないタイトルで恐縮です。団塊の世代の方なら砂に、団塊ジュニアの世代なら雪に書きそうなタイトルですが

 以前のコラムに、ひと時の感情が購買行動などの凡そ正常な判断を狂わせると書きました。夜にラブレターを書くと、次の日に読み返したときにとても恥ずかしくて読めない。なんでこんなこと書いてしまったんだろうなんてことありませんか。今の世の中ならlineやSNSのコメントもしかりかもしれませんが、冷静な時に読み返したら『なんでこんなこと書いてしまったんだろう』なんて自分が恥ずかしくなるくらいの内容を、メールでもいろんな人に送っていることあるのではないでしょうか。

 

 大学では金融のゼミに所属していましたが、ゼミの初日に教授にとてつもない愚問を投げてしまったことを今でも思い出します。その愚問とは『株価はなぜ騰落するのか』という、今思い返せばとても恥ずかしい質問を昼にしてしまいました。教授の回答は『わからない』でした。ただそれでも、さまざまな要因を挙げていただいたのですが、人間の感情という弱さも大きく株価に影響するといった回答があった記憶があります。人間は統計学的な回答をすべき局面で、因果関係を不適切に当てはめる傾向があるといった有名な言葉もあります。セミナーでも多くのFP講師が語っていますが、多くの人は株価が上昇しているときに買い、買値よりも下がったところで損切る傾向があるそうです。集団心理や感情のブレがそうさせているのではないでしょうか。

 

 心理学的に言えば、交感神経と副交感神経が感情に大きな影響を与えるようです。とかく夜に優位に働くのが副交感神経で副交感神経は理性よりも情動を優先するメカニズムになっているそうです。情動が優先された結果、普段抑えられていた想いがそのまま出てしまうのです。一方朝は、副交感神経との変換期で交感神経が働きはじめ脳が活性化する時間帯です。これは、何かを判断したり、物事をじっくり考えたりするのに適した時間であり、勉強や仕事にも役立つとされています。

 

 そのような理由から、私はネットやデジタルの進化で夜でも売買できるようになった株式や投資信託をあえて日中、いったんコールセンターを挟んで売買するようにしています。(長期分散投資を基本としているのでよほど入用な時しか売買はしませんが)またヤフオクやアマゾンなどでの購買行動も、深夜には絶対しないようにしています。なぜなら、『なぜこんなもの買ってしまったんだろう』という反省を何度もしているからです。何かを買おうと思うときは、いったん週末の昼まで考える癖をつけています。FPのスタディグループで研究していた名著に『ウォール街のランダム・ウォーカー』という本があります。そこでの印象的な内容に、友人が金持ちになった、株でもうけたみたいな情報程感情をかき乱すものはないというセンテンスを強烈に覚えています。脳内物質の織り成す幻想が凡そ正常な判断の邪魔をするのです。

 

 当社の社長は、毎朝早朝に社員向けのSNSでコラムを発信しています。朝は、副交感神経との変換期で交感神経が働きはじめ脳が活性化する時間帯です。これは、何かを判断したり、物事をじっくり考えたりするのに適した時間であり、勉強や仕事にも役立つということです。確かに自分もどちらかというと朝方の人間で午前中の方が非常に仕事も捗ります。ただ、私はこのコラムはあえて夜に書いて、管理者の人に深夜に送っています。なぜならこのコラム、時系列で並んでおり、自分も失敗したなと反省しているのですが、文末に『続く』と書いてしまっている以上、挙げてしまったコラムを修正するとバラバラになることを後で気づいてしまったからです。ある意味副交感神経バリバリの時に一発勝負で書ききってしまわないと、とても優柔不断な自分には書けないことを自覚しているからです。深夜に理知的な管理者の方に送ってしまって、昼に挙げていただきあとは読み返さない。そうでないととても続けられません。

 

といいながら続く