敗者のゲーム

 私はコンサルティング・ファームのどちらかというとフロントサイドの人間でありながら、忙しさにかまけて自分の体のメンテナンスが後回しになっておりました。ここ数か月土日なく働いておりましたので、やっと時間ができた本日土曜日に予約した歯医者(はいしゃ)に行こうと家を出たときに、車を車検に出しており車がないことに気づきました。そこで慌ててバスを待っている間、こんなときに限って回送の連続でバスが来ない・・・バスが来ないならタクシーと思ってもタクシーが通らない・・こんなとき、タクシーの配車(はいしゃ)アプリを使いこなしておくべきだったと反省しているときに思い出した名著がタイトルの「敗者(はいしゃ)のゲーム」チャールズエリス著でした。ギャグの持ちネタのような話ですが実話です。

 

 「敗者のゲーム」という本は、私のようなインデックスや長期分散投資至上主義の人にはバイブル的な内容の名著で世界中でベストセラーになっています。インデックスとはどういう意味でしょうか。インデックスは、マーケットにおいては、市場全体の動向を示す指標や指数のことをいいます。これは、株式や債券、不動産、デリバティブなどのマーケットの個々の価格データから市場全体の動向が分かるように数値化したもので、取引所や新聞社、金融情報会社、金融機関系の会社などが開発し、算出・公表しています。ファンド(株式投信)においては、ベンチマークとして使われ、これに連動するように運用することを「インデックス運用」や「パッシブ運用」と呼ぶほか、このような運用を行うファンドを「インデックスファンド」と呼びます。本の中では、基本的にインデックス投資に勝る運用方法はないと言っています。

 

 ではインデックス投資とはなんのことでしょうか。インデックスファンドは、ファンドの基準価額がある指数(インデックス)と連動することを目指して運用する投資信託をいいます。これは、対象となるインデックスに、日経平均株価やTOPIX、S&P500などに代表される平均株価指数などがあり、パッシブ運用の一つである「インデックス運用」により運用が行われます。一般にインデックスファンドは、銘柄選択のために大量の情報を収集する必要がなく、銘柄入替の頻度はファンドマネージャーが積極的に運用するアクティブファンドに比べて低くなるので、ファンドの運用コストは低くなります。また、投資家にとっても、身近な株価指数に連動しているため、シンプルで値動きが分かりやすく、株式市場全般に分散投資する際に便利です。ちなみに、世界初の個人向けインデックスファンドは、米国のバンガード社(Vanguard)が1976年に売り出した「Vanguard 500 Index Fund」で、これは米国株の代表的指標の一つである「S&P500」の値動きと連動させたものです。

 

 なぜインデックスファンドが個人的にいいと思うのか、持論を話したいと思います。投資に関しては限られた市場の中で、日々プロとして巨額のお金を運用している金融機関などの機関投資家と、個人の投資家などが日々誰かが負けたお金を誰かが勝つゼロサムゲームが繰り広げられています。ゼロサムゲームとはなんでしょうか。ゼロサムゲームとは、複数の参加者が存在する中で、それぞれの得点と失点の総和(=サム)が、常にゼロであるというゲームのことをいいます。「ゲーム理論」と呼ばれる経済理論の一種です。“ゼロ和”と呼ばれることもあります。プロのファンドマネージャーでもインデックス投資に負ける人も多い中で、一般の投資家が長期的な運用で見て、他の機関投資家やインデックスに勝てる人は非常に少ないと思っているからです。

 

 また、このコラムの最初のころ紹介した、長期分散投資の基本としてドルコスト平均法のはなしをしました。私は初心者の方はインデックス投信に毎月積み立てで一定額コツコツと20年30年の長期運用がいいと思っています。そして運用中、それこそインデックス(日経平均やダウ平均株価)が下がっても上がっても鋼の心で一定額をコツコツ運用し続けることです。

ただ、私はインデックスの長期運用は礎として投資の一部にして、不動産投資や外貨投資などを組み入れて少々リターンを狙ってもいいかと思います。なんて回送続きのバス停で敗者のゲームのことを回想しているうちに、タクシーの配車もなく5分遅れて歯医者に到着しました。

 

続く